今回は「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」についてです。バーバリアンズはチャリティや他国の代表の遠征時に、世界各国から代表クラスの選手を招待して結成されることが多いのですが、このライオンズは4年に1度だけホームユニオンと呼ばれる英国4協会(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド)の中からメンバーが選出され、南半球に遠征を行うチームです。凄いメンバーばかりのドリームチームです。ニュージーランド、南アフリカ・オーストラリア、を4年ごとに回るので、それぞれとの国へのツアーは12年に1度となります。
ここで確認ですが、イギリス=「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」の事です。アイルランドはグレートブリテンには含まれません(このあたりの歴史は複雑)。北アイルランドはアイルランドと分裂してグレートブリテン側に入るのですが、アイルランドラグビー協会はこの分断以前から活動しているため、今でもアイルランド代表は、アイルランド及び北アイルランドの代表という事になっています。
他のスポーツでも同じだと思いますが、オリンピックではTeamGBという形で、イギリス代表を結成しています。リオでは7sも銀メダルでしたね。
さて、このライオンズの起源は、1888年に行われたオーストラリアとニュージーランドへの遠征で、22名が片道46日間の船旅を経て246日の遠征を行ったそうです。今では考えられない、凄い日程ですね。35試合中27試合に勝利したのですが、これらの試合のうち19試合はオーストラリアンフットボールのルール(オージーボール)で行われました。実は始まったばかりのオージーボールの宣伝も含まれていたらしく、遠征資金の多くをこのオージーボールの協会が提供していたようです。(オージーボールについてはまた後日)
相手のグランドでは、相手のチームのルールで試合を行うという、古来のフットボールの名残だと思いますが、これも今では考えられないですね。また、ツアーの途中で1名がボートの運転中の事故で亡くなると言う悲劇に見舞われたそうです。
現在の形である、4つの協会の選抜チームは1910年に初めて結成され、これが協会公式のライオンズ最初のツアーになったと言われています。そしてチームは南アフリカ遠征を行い1勝2敗で南アフリカにテストシリーズでは負け越してしまいした。
2021年には南アフリカツアーが予定されています。ワールドカップ優勝国の南アフリカ対ホームユニオン連合との対戦というスペシャルマッチが今から楽しみです!
そして、このライオンズのヘッドコーチが、現在スーパーラグビーのチーフスのヘッドコーチなのですが、2021年のライオンズの遠征前のウォーミングアップマッチの対戦相手として、日本代表も候補に入っているとインタビューで答えていました。もし日本で対戦が出来るなら、万難を排して観戦に駆けつけたいですね!